特集 キハ58系再発売記念 その7



目次
@車輌ドア
Aタイフォン
Bバランサー蓋
C給水口
D便所窓
E通風器
F尾灯
Gワイパーと手すり
H冷房関係
I標識かけ
J強制通風装置
Kキロの屋根について
LT社の
キハ58・28・キロ28

MK社のキハ58・
キロ28
NT社とK社の違い
OK社のキハ58を
T社仕様に改造

P客室
Q運転台
 
P 客室
 客室は外観以上に大きく変化する場所で、特にJR後は多種多様な用途のため同一形式とは思えないほど変化している場合があります。これらの バリエーションについて全てを網羅することはできませんが、いくつかの代表的な種類をとりあげてゆきます。

原型のバリエーション
客室-01
キハ28-2392
 ほぼ原型を保っている車内です。床材は取り替えられているものの、全て青いモケットのクロスシート。デッキは前デッキと客室の間、客室と 便所・洗面所の間、便所・洗面所と後デッキの間には仕切り戸が設置されていました。座席の手すりは単純な半円状のもので、キハ58系ではほとんどの車輌がこの タイプの手すりが取り付けられていました。

客室-網棚
キハ28-2392
 キロ以外の網棚は文字通り繊維の「網」の棚でしたが、強度不足や破損などにより、途中からキロと同じものに変更されています。「網」であった 車輌も、JR後は棒状のものや金網にに取り替えられた車輌がほとんどでした。「網」棚であったのはキハ28が〜437、キハ58は〜733、キハ27が〜118、キハ56が〜124 (キハ57は全車) となっています。

客室-02
キハ58-1043
 座席の取っ手が変更された客室内です。変更された時期は定かではありませんが、パノラミック窓に変更されたあたりだと思われます。 従来型の手すりの車輌も、このタイプの手すりに交換された車輌も多数ありました。

客室-03
キハ56-23
 北海道用のキハ56・27では窓が二重窓になり、床板が木になっていました。これは保温効果を保つためで、当時の北海道の車輌の特徴でも ありました。この写真ではわかりにくいのですが、通風器からの空気取り込み口には皿状のカバー (キハ40-500に取り付けられているものと同じ) が取り付けられて いましたが、これは雪が車内に入り込むことを防ぐためでした。


JR東日本のバリエーション
客室-11
キハ58-1529
 JR東日本の車輌のうち、車体更新を受けていない車輌は原型の座席配置となっているものがほとんどでした。ただ、モケットや内張り、 洗面所の使用中止 (撤去された場合もあり) など、各種の改造がされています。便所についてもキハ58を中心に使用中止となっていた車輌が多くありました。

客室-12
キハ58-1523
 キハ58-1500番台は冷房準備車として落成し、冷房が取り付けられる部分には確保された準備部分にカバーが取り付けられ、扇風機が 取り付けられていました。1500番台ではほとんどの車輌が正式に冷房化されなかったため、このような「準備工事」のまま廃車となっています。

客室-13
↑キハ58-677
客室-14
キハ58-677
客室-15
キハ58-1022
 JR東日本の車輌では1990年〜92年にかけて、国鉄時代に特別保全工事を受けていない車輌に対して車体更新をする改造が行われました。車体更新車は セミクロスシートに改造され、洗面所と便所・洗面所と後デッキの間にあった仕切り戸は撤去されました。

客室-16
キハ58-54
 JR東日本には当初急行もまだ多く残っており、この急行用にアコモが改良された車輌がありました。急行が廃止されると快速の指定席用に なり、自由席車との差別化が図られました。座席は回転式のリクライニングシートで、定員は60人となっています。側面に電動式の行き先方向幕が取り付けられたのも 特徴になっています。また、キハ28については便所と洗面所が撤去され、荷物置場になり戸袋窓も埋められています。


JR西日本のバリエーション
客室-21
キハ28-2309
 JR西日本の急行用ですが、基本的に原型と大差はありません。モケットの色が変わり、吊り広告が設置されていないぐらいの差しか ありません。

客室-22
キハ28-3014
 同様に急行用の車内ですが、パノラミック窓の車輌の場合です。座席に取り付けられている手すりの形状や天井の高さ、クーラーの 取り付けなどが平窓車と異なっています。

客室-23
キハ58-563
 急行用の一部車輌ではアコモ改良が行われ、このようなバケットシートになったものもありました。

客室-24
キハ58-1026
 さらに番号区分がされた車輌のほか、一部の車輌ではこのようにリクライニングシートにアコモを改良したものもありました。この場合 定員は64人です。もちろん、窓と座席ピッチは合っていません。

客室-25
キハ28-3014
 急行用やアコモ改良車はもちろん洗面所が残されており、鏡や水栓部などが改良されています。

客室-27
キハ28-2442
 JR西日本のセミクロスシート車の場合です。セミクロスシート改造と同時にワンマン改造がされている事が多いのも特徴です。洗面所が 撤去されていますが、便所は残されています(ただし使用できない場合も多い)。デッキ扉は便所と後デッキの間のみ残され、前デッキと客室-便所の2ケ所は 撤去されています。前のデッキは扉のみ撤去し、デッキの壁は残されて明り取りと後部視認のために窓が設けられています。

客室-26
キハ28-3020
 JR西日本のセミクロスシートには前の部分のみがロングシートとなっているものがありました。この車輌は主に福知山・亀山に所属していた 車輌で、他に転属してもそのままの姿で活躍を続けました。座席配置以外は上の一般的なセミクロスシート車と同じです。


JR四国のバリエーション
客室-31
キハ58-203
 JR四国には急行用として回転式の座席に取り替えられたものもありましたが、ほとんどがこのようなセミクロスシートに改造されました。 ただし、全ての車輌でワンマン改造はされていません。JR四国の場合はデッキ仕切り全体と洗面所だけでなく、便所も撤去しています。座席の形状も ヘッドレストの部分を改良し、一人分の座席位置を明確にしています。

客室-32
キハ58-203
客室-33
キハ58-293
 また、撤去した便所・洗面所部分はもちろん、前の戸袋窓部分には座席が設置されていません。この部分には網棚も設置されていません。 また、洗面所・便所部分にも吊り革が設置されているのも特徴です。デッキのほとんどが撤去されていますが、縁の部分は少し残っています。

客室-34
キハ58-203
 全てのデッキが撤去されたため、妻面に新たに仕切り戸を設置しています。向かって左にあるのは冷房用の配電盤で、右側にはもともと 下降窓がありましたが、この戸の設置によりなくなりました。なお、右の部分の出っ張りは排気管など「撤去」できない部分です。

客室-35
キハ58-301
客室-36
キハ58-774
 JR四国のセミクロスシート車には色違いのシートがあります。上の場合は緑系の濃淡ですが、クロスシート部は中央がオレンジ色、 ロングシート部は全てがオレンジ色になっています。ただし退色が激しく、くたびれた感じが大きく出ています。


JR九州のバリエーション
客室-41
キハ28-2419
 JR九州のセミクロスシート車です。JR九州の場合セミクロスシート車は便所は残されていますが、洗面所と全てのデッキが撤去されて います。そのため、JR四国と同様に妻面に仕切り戸が設置され、妻面の窓はなくなっています。




Q 運転台
運転台01
キハ58-774
 ほぼ原型を保っている運転台です。もちろんATSや無線など、全車に施工された改造はされていますが、表示灯や時刻表挿しなど目につくパーツは 原型のままとなっています。なお、このキハ58-774はJR四国の車輌なのですが、JR四国の車輌の案内オルゴールは別のメロディーに取り替えられています。

運転台02
キハ58-1042
 JR西日本の場合もほぼ原形を保った車輌が多かったのですが、青四角で囲んだ部品が取り付けられていました。これは可般形無線機の置き台で、 運転時にはここに無線機を設置します。

運転台03
キハ58-1117
 パノラミック窓の車輌の場合、運転台が大きく様変わりします。表示灯が四角いものになり、全体的に高くなっています。ATSなども設置が考慮された ものになっていますし、放送機器も場所が変わっています。これはキハ40系にも踏襲される配置となっています。なお、このキハ58-1117はワンマン改造がされて いるため、ドアスイッチやデッドマン装置 (EB装置) も追加設置されています。また、この車輌では電池時計が残されており (故障となっていますが)、4つの 穴が全て埋まっている珍しいパターンです。

運転台04
キハ58-677
 JR東日本の車体更新車では運転台も多少近代化が図られています。目につくところでは表示灯が四角いものに取り替えられています。この車輌では 取り替えられていませんが、時刻表挿しが取り替えられた車輌もあります。このキハ58-677はATS-Ps装備となっているため、速度表示機が設置されています。

運転台05
キハ28-2419
 JR九州のワンマン改造車です。表示灯は原型ですが、時刻表差しが交換されドアスイッチが取り付けられているほかドアの選択装置 (?) も 取り付けられています。圧力計の間にある黄色いボタンはEBりセットです。これだけの改造がされている中、なぜか灰皿が残っています。




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