特集 キハ58系再発売記念 その6



目次
@車輌ドア
Aタイフォン
Bバランサー蓋
C給水口
D便所窓
E通風器
F尾灯
Gワイパーと手すり
H冷房関係
I標識かけ
J強制通風装置
Kキロの屋根について
LT社の
キハ58・28・キロ28

MK社のキハ58・
キロ28
NT社とK社の違い
OK社のキハ58を
T社仕様に改造

P客室
Q運転台
 
OK車のキハ58をT社仕様に改造
 K社のキハ58もそれなりにツッコミどころはあるものの、決して悪くはありません。価格も安いので長大編成を再現されるにはもってこいです。 しかし、いかんせんアーノルドカプラーではせっかくの編成美も半減してしまいますし、T社キハ58系との相性のことを考えるとT社仕様に改造する事が 得策と思われます。そこで今回はK社キハ58をT社仕様に改造する工程をまとめてみました。ただ、ほかにも簡単な方法があるかもしれませんので そのあたりはご容赦のほどを...。

K社をT社に-1
 まずは比較のために改造前の姿を...。でっかいアーノルドカプラーが目につきます。台車についているアーノルドカプラーを撤去し、 T社の密自連形TNカプラーを取り付けます。新形のものは一般発売されていませんので、旧製品を使用します。似たようなものがありますので ご注意下さい。前側がJC64、後ろ側がJC62です。

K社をT社に-2
 TNカプラーを取り付けるための改造を床板に行います。TNカプラーは床板の凸部にはめ込むものですので、この凸部を削って作り出します。 それぞれの寸法はこのようになっています (上から見た図)。一応寸法を示していますが、あくまでも目安としていただき、最終的には現物合わせを 行ってください。ですので、この寸法よりもやや大きめに加工を行ってください。
 先頭側のみ助士席側に3mm角の切込みを入れます。これはスノープロウ取付穴の部分となります。これだけの加工ならば比較的簡単なのですが、黄色い 部分にボディマウントのTNカプラーを取り付けるので、この部分を薄くしなければなりません。削る厚さは0.3〜0.5mmぐらいですが、もとの厚さの 半分以下となると強度が低下しますのでご注意下さい。

K社をT社に-3
 基準となるのはこの金型接合ライン(?)です。このラインを基準線として加工をしてゆくのですが、実際はこのラインより0.3〜0.5mmほど内側を 基準としたほうがいいみたいです。この写真は前位側のものですが、後位側も同様に線がありますのでこれを基準にして下さい。

K社をT社に-4
 それでは前位側の加工を行ってゆきます。@が元の状態、Aは黄色部分を掘り下げて凸部の頭まで削った(端から1.0mm)ところです。 Bは完成した状態です。Aの状態から0.5mm削りだして凸部を作り出します。裏側から見ていますので、「欠け」の部分が左右逆になっています。

K社をT社に-5
 上の加工を側面から見て見ます。@は原型、Aは途中の状態。このような感じで薄くします。削る加工の方法はいくつかありますが、 私はナイフによる削り出しを選びました。ヤスリの場合は削れ方に偏りが出る事があるのでやめましたが、こちらのほうがいいという方は 問題ありません。Bが完成の状態ですが、黄色の枠で囲んだ部分はカプラー枠と干渉する恐れがあるため、場合によっては撤去してください。 手前の凸部の加工も撤去した方がやりやすいので、難しいと思われる方はなくして下さい。

K社をT社に-6
 続いて後位側です。@が原型で、Aの加工途中を撮影し忘れまして、Bが完成形です。後位側のカプラーは足掛け・便所流し管パーツの関係で 端から3.5mm、上側にあるカギ状の止め具(?)の付け根辺りから端を取り落とします。なお、このカギ状部品は凸部作成時には撤去しますので、先に 端を切り落として下さい。後位側の凸部作成の目安は集電シュー押さえ具(??)のラインです。ここを凸部の底部の目安として頭部のラインの目安を つける方法もいいと思います。

K社をT社に-7 K社をT社に-8
 座席部分もカプラー取付に際して干渉する部分がありますので、端の部分を削り取ります。だいたい斜面の始まりぐらいの位置です。

K社をT社に-9
 上2つをまとめるとこのようになります。後位側のほうの窓押さえ具は前位側と異なり、撤去しなければ凸部を作り出す事が出来ないので 撤去します。青い枠で囲んだ部分がカプラーが干渉する部分です。

K社をT社に-10
 加工が完了した床板にカプラーを取り付けた状態です。繰り返しますが、これは金型合わせライン上を基準としたため、前後のカプラーが若干 車体に干渉してしまったため、車体を削って補正しました。前後とも、またはどちらかは0.3〜0.5mmほど内側から加工を行うとぴったり車体に合います。

K社をT社に-11
 車体を載せて、完成です。一応クーラーもT社のものに交換し (若干の加工が必要)、ライトボックスを黒く塗るなどの加工を施しました。 クーラーの交換に際し、屋根色を塗りなおしたため若干色が明るくなっています(使用塗料GM製ねずみ1号)。

K社をT社に-12
 前面と妻面の様子です。アーノルドカプラーをTNカプラーに交換するだけで、これほどまでグレードアップします。本当はもっと薄く削ったほうが いいのですが、取付強度の問題でこれぐらいが限界です。なお、前面は冷房ジャンパ線受けの取付は行っていませんが、前照灯の縁を銀で塗り、種別的の Hゴムをグレーで塗ってメイクアップしました。ちょっとしたことですが、これだけでもかなり見栄えがします。

K社をT社に-13
 側面のクローズアップです。通風器は交換していませんが、クーラーを交換しているのでT社のものにも引けをとらない仕上がりになっています。 なによりもやっぱりカプラーの違いは大きいです。原型だとこのぐらいのアップだとちょっと...でしたから。
 下にはT社のキハ58と加工前のK社キハ58の画像も用意しましたので、比較にどうぞ。
T社K社-1




その5へ    その7へ    トップへ