キハ53車両概要

キハ53について
 キハ20系でも2エンジン車が登場したようにキハ23系でも2エンジン車のキハ53が登場しました。外見はキハ23とほとんど違いはないのですが、キハ52同様床下にトイレの水タンクをつけるスペースがなく、トイレの向かい側に設置したためその部分の窓がなくなっています。このスペースはキハ52の場合と同様天井から床までタンクのスペースとなっています。その後、JR西日本でワンマン改造をされた際、客室への見通しを確保するためだいたい座席の背ずりの高さまでに小型化され、運転台の後ろにも小窓がつけられました。また、タンクが低くなったことでここは乗客の荷物置き場などにもなっていますが、窓をつけるということはされていません。あと細かいところでは冷却水取り込み口がキハ58と同様2つになっているという差異もあります。
 キハ23や45では寒地用が作られましたが、キハ53では寒地用は作られず、そのかわり長大編成に対応した100番台が登場しました。この「長大編成対応車」とはキハ58系にもある分類で、10数輌という長い編成の列車とした場合制御回路の電圧が低下したりブレーキ用の空気圧の変化が前後で開きを生じて制動に支障をきたすことがあったりするため、ブレーキに電磁弁をつけ制御回路を変更して電圧降下を防ぐようにされた車輌です。なお、キハ58では400番台、キハ28は300番台、キロ28では100番台からとなっており、他のキハ27と56、キロ26にもそのような区分がされ、非対応車の中には対応化改造を受けた車輌もありました。
 製作数は0番台が9輌、100番台が2輌と少なく終わりましたが、2エンジンであったため勾配線で長く使われ、1983年に廃車となった1輌を除いて全てがJRに継承されました。JR後は新性能気動車の出現や非冷房車の廃車が進み、小浜線を最後の活躍の場として廃車されています。なお、キハ53という形式自体はキハ58系の両運改造車にもあてられており、現在1000番台が名乗るのみとなっています。この改造車については下の「他系列キハ53」をご覧下さい。


性能
全長
全幅
全高
重量
定員
21300mm
2928mm
3925mm
39.7t
87人※
エンジン
出力
台車
便所
デッキ
DMH17H×2
180馬力×2
DT22
あり
なし
製造期間
製造輌数
消滅年
保存
1966〜69年
11輌
現役(廃車見込)
なし
※ 諸元表ではこの定員となっていますが、114名という説もあります

関連車両
キハ23
キハ45
他系列キハ53