キハ26には他の形式からの改造車が多いことで知られています。さすがにキハ55のエンジンを1台下ろしたものはないのですが、キロハ25とキロ25から改造され、それぞれ300番台と400番台に区分されました。この格下げは1等車(旧2等車、現在のグリーン車)の冷房化に際して、設備が不十分な車輌は冷房化せずに格下げをする方針によるものです。キロ25、キロハ25の両方とも2等車(旧3等車)よりもよいシートを使用していましたが、急行型のキロ28などではリクライニングシートをしていたのに対し、「ロマンスシート」と呼ばれる単なる2人がけのシートで、リクライニングの機能は備わっていませんでした。そのため非リクライニングの両形式は格下げ対象車となりました。
格下げになったものの、車内の改造はされずシートもデラックスなまま使用されて、形式表記だけが変えられただけというものでした。この格下げは1969年に完了し、準急型1等車は姿を消しました。さらに300番台については合造車のため使い勝手が悪いため、早くに郵便荷物車などに再改造されました。400番台についても一部が郵便荷物車に改造されたほか、九州では通勤輸送用に車内の全て、またはほとんどをロングシートにした600番台に再改造されました。
この600番台は筑肥線と鹿児島に配置されましたが、筑肥線の方が全てロングシートに、鹿児島の方が中央に16人分のクロスシートを残したロングシートとなり、どちらも戸袋の部分にシートは設置していません。便所、デッキは撤去したとあるのですが、図面ではどちらも存在し、写真でもデッキは確認されているのでその真偽は不明です。
300番台は全て郵便荷物車に再改造され、1975年に消滅しましたが、400番台には改造されなかったものもあり、600番台とともに国鉄末期まで残りましたが国鉄解体までに全車廃車となりました。
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