キハ11-100番台は北海道向けとした車輌が初めて登場しましたが防寒が十分ではなく、特に厳寒の稚内など道北ではその耐寒装備は未熟なものでした。そこでこのキハ11-100番台をベースに改良し、北海道用として登場したのがキハ12です。まず、北海道用車輌の定番である二重窓を採用し、床材を木に変更して保温性を高めました。しかしデッキは当初設置がされず、のちに追加改造された車両がされたありました。北海道専用車輌として登場したキハ12もキハ20系登場により製造は終わり、キハ21、キハ22へと受け継がれてゆきました。
キハ22などが増備されるに従い、新形車輌に比べ耐寒装備が劣るキハ12は次第に比較的温暖な地へ移動してゆき、最終的には池田へ大部分が集まって池北線や士幌線で活躍するようになりました。そのころには前述のデッキ追加やタイフォンの移設といった改造もされ、客室の一部を簡易の郵便室や荷物室に改造した車輌もありました。22輌という小世帯や耐寒装備の弱さからか、両運転台にもかかわらずキハ10や11に比べ廃車の開始時期は早く、地方私鉄への譲渡や保存もされることなく廃車となってゆきました。しかし映画「鉄道員(ぽっぽや)」でその名が登場し、キハ12-23に追番された(?)キハ40が映画用に改造されるなど今でもその存在を印象付けています。
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