キハ47について |
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キハ47はキハ45のスタイルを踏襲した車輌で、車体のやや中央よりに両開き扉を設けたデッキなしの片運転台車輌です。キハ45と異なっている点としてエンジンなどの性能面はもちろんですが、トイレのない車輌があることもそのひとつです。これはトイレから垂れ流される「黄害」対策でトイレの数を減らすことでこれを防ごうとするためでした。キハ40系には汚物循環装置も取り付けられましたが、車輌区の処理能力の問題もトイレ減の一因となっています。トイレのない車輌は1000番を加えて区別され、定員も4名多くなっています。トイレ用の水タンクはトイレの真上の屋根上に配置され、その部分は平坦になっています。そのため妻面は四角い断面になっており、元祖お座敷車スロ81系のようになっています。 キハ47は基本的には暖地向け車輌として設計されましたが、乗降が片開きの車輌よりもスムーズであるため新潟地区用として寒冷地用車輌も製造されました。また、暖地向け両運転台車輌はキハ47をベースにする予定でしたが変更となり、片開き扉のキハ40-2000となりました。その後1999年にキハ47改造のキハ41が登場するまでその構想は忘れられていました。なお酷寒地用として使用するのはキハ21の経験からか不適当とされ、製作されていません。 暖地用の0番台はキハ40-2000より多く製造され、東北以外の本州、四国、九州でよく見られる車輌となっています。台車は従来どうりDT22系を使用していますが、逆転機が変速機に内蔵されたことから軽量化が図られたものになっています。 寒地用は500番台に区別され、トイレのついている車輌は1500番台となっています。寒地用であるため床下機器に耐寒装備が施され、台車もキハ40-500と同じくDT44系になっています。しかし車内設備の変更はなく、デッキなども取り付けられていないため外見も車内も一見すると0番台と区別がつきません。506と1506からは台車がDT44A/TR227Aに変更されましたが、これは軸バネに雪がつまると乗り心地が悪化するためで、軸バネの部分に円筒形の覆いをつけました。そのため原型の台車を履いた501〜505(1501〜1505)は雪の心配がない四国へと移らされることになりました。四国に寒地用車輌があるのはこのような理由からです。 JR後は冷房改造、ワンマン化など車番の変更のないものからエンジンの取替え、ロングシートの拡大など改番や形式変更の伴うものまでさまざまな改造が行われました。JR西日本ではリニューアル工事が行われ、窓の交換やベンチレーターの撤去、冷房の交換などにより外観も新たになっています。500番台はしばらく非冷房のままでしたが、近年冷房化が進んでいます。また、キハ47は2003年4月の時点でキハ40系の中では唯一廃車が1両もない形式となっています。 |
共通性能 (0番台/1000番台) | ||||
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全長 |
全幅 |
全高 |
定員 |
便所 |
21300mm |
2930mm |
4055/3895mm |
124/128人 |
あり/なし |
性能 0番台(/1000番台)暖地向け車輌 | ||
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重量 |
台車 (動台車/従台車) |
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35.6/35.2t |
DT22/TR51 |
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製造期間 |
製造輌数 |
消滅年 |
1977〜82年 |
327輌 |
現役 |
性能 500番台(/1500番台)寒地向け車輌 | ||
重量 |
台車 (動台車/従台車) |
|
35.9/35.5t |
DT44/TR227 |
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製造期間 |
製造輌数 |
消滅年 |
1978〜80年 |
43輌 |
現役 |
関連車両 | |||
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キハ40 |
改造キハ47 |
キハ41 |
キハ48 |