キハ48車両概要

キハ48について
 キハ48はキハ40を片運転台とした車輌で、扉を両端に寄せて片開きにするなどキハ46のような外見になっていました。これは寒冷地に使用する際に車内の保温に適した車体とするためで、暖地向け車輌はキハ47となりました。トイレは全ての車輌には設置されておらず、設置されていない車輌は1000番を加えています。また、キハ48ではトイレの向かい側にシートを設置していません。機関冷却用の水タンクは床下にありますが、トイレ用の水はトイレの屋根上に設置しています。この部分の屋根はタンクの幅だけ凹んでいます。キハ48はもともと寒冷地向けとしていましたが、酷寒地(北海道)用と暖地用も製造されました。けれどこの2タイプはごく少数に終わり、ほとんどは寒地向けとなっています。
 0番台はそれまでの慣習から0番台を名乗りましたが、その数は10輌にとどまりました。これは暖地向け車輌としてキハ47が大量に製造されていたことと「暖地の中の寒地」という極めて限られた箇所での使用であるためと思われます。装備は暖地用ということで床下の耐寒装備はなく、台車もキハ47などと同じDT22系が使われています。また、デッキもキハ40-2000と同様になしとなっています。
 300番台は酷寒地用ですが、そのころの北海道は旅客の減少により2輌以上の運転を基本とする片運転台車輌は適当とされず、運用に弾力性のある両運転台のキハ40が多く配置されていたこともあって最も少ない製造数となりました。そのため配置は人口の多い苗穂にされました。車体はキハ40-100と同じ小型の1段上昇二重窓となり、もちろんデッキも設置されています。  500番台は最初に製造され、最も多く製造された寒地用車輌です。台車を含めた床下機器の耐寒装備やデッキなどは300番台と同じですが、窓は2段上昇のユニット窓となっています。500番台が最も多くなったのは寒冷地のキハ47的な存在であったからでしょう。キハ47は寒冷地では車内の保温に問題があり、少なくともデッキを設置している客室である必要があったためです。このためデッキがあり床下機器の耐寒性も優れていたキハ40-500を片運転台化したこの500番台が登場しました。片運転台となったことでキハ40にあったような半分の幅の窓もなくなり、すっきりとした外観になりました。配置は東北に重点的にされ、高山本線を担当する美濃太田にも配置されましたがこれより西に配置されることはありませんでした。
 全てが四国と九州以外のJRに承継され、北海道の300番台の半数がキハ480に改造されました。0番台も西日本車はエンジン取替え、冷房化が、東海車はエンジン取替え、ワンマン化、冷房化がされ、東日本の車輌もエンジン取替えや冷房化などの改造がされ始められています。特にJR東海の車輌はキハ40、47とともに複雑な改番がされています。JR東日本ではキロ48以外は改番されず、元の車番のままで活躍していますが、外見がかなり変わった車輌も登場しています。


共通性能
全長
全幅
全高
21300mm
2930mm
4055/3895mm
定員
エンジン
出力
108/116人
DMF15HSA×1
220馬力
性能 0番台/1000番台
台車 (動台車/従台車)
重量
便所
デッキ
DT22/TR51

あり/なし
なし
製造期間
製造輌数
消滅年
1981〜82年
10輌
現役
性能 300番台/1300番台
台車 (動台車/従台車)
重量
便所
デッキ
DT44/TR227

あり/なし
あり
製造期間
製造輌数
消滅年
1982年のみ
7輌
1988年(300番台は現役)
性能 500番台/1500番台
台車(動台車/従台車)
重量
便所
デッキ
DT44/TR227
36.2/35.9t
あり/なし
あり
製造期間
製造輌数
消滅年
1979〜82年
109輌
現役

関連車両
キハ40
キハ47
改造キハ48
キハ480