キハ35-300・キクハ35車両概要

キハ35-300・キクハ35について
 非電化路線の通勤輸送用に登場したキハ35ですが、電化や旅客の減少により活躍の場を次々と失い、その多くは廃車となってゆきました。そのような非電化通勤路線の中でも特殊な部類の路線がありました。それが「和田岬線」です。
 この「和田岬線」とは正式には山陽本線の支線で、本線起点の兵庫から2.7km南進して終点和田岬に着く路線なのですが、工場地帯であるため多くの乗客は朝夕の通勤客となっています。また、兵庫駅と和田岬駅のホームが同じ向きにあるため、扉が片側だけですむ点もこの線のポイントとなっています。
 このキハ35-300が登場するまではオハ64という客車が前後に機関車をつけて走っていましたが(トンボというようです)。しかし客車の老朽化と手動扉の危険性、運転コストの問題から気動車化されることとなり、キハ35が後継車輌となりました。ですがそこは和田岬線です。前述のオハ64も「和田岬線専用車」であり、同様の改造をキハ35も施されることになりました。まず、ホームのない側の扉を非常用の1ヶ所を残して埋めてしまい、トイレと一部シートも定員増のため撤去し、海沿いの平坦線であることから各車にエンジンがなくても問題がないとしてエンジンを取りはずしたキクハ35が新たな形式に加わり、キハ35+キクハ35という編成を基本単位とした6〜8輌編成(休日は2輌)が朝夕を中心に走っていました。
 このように地味な活躍をしていたキハ35-300とキクハ35ですが、2002年のワールドカップに伴い和田岬線が電化され、その使命を終えました。


性能 キハ35-300/キクハ35
全長
全幅
全高
重量
定員
20000mm
2929mm
3945mm

148人
エンジン
出力
台車(動台車/従台車)
便所
デッキ
DMH17H×1/なし
180馬力/なし
DT22/TR51
なし
なし
改造年
製造輌数
消滅年
保存
1990年
各4輌
現役(保留)/2002年
あり

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