キハ01を北海道で運転試験をした結果登場した耐寒型キハ02でしたが、やはり北海道の寒さは厳しく乗客からは依然として不満が寄せられていました。そのため本格的な北海道用として登場したのがこのキハ03でした。登場時の形式はキハ10200と新しい形式とし、このことからも本格的な北海道用という意気込みが感じられる車輌と言えるでしょう。
キハ03では他の北海道用気動車と同様に、二重窓、木製床、タイフォンカバーなどを備え、暖房も強化されました。一方でこれらの装備追加による経費増を押さえるため、客室内の金具などはより安価なものに変更されるなど車輌費が高騰しないように苦心されています。
1956年に登場し、それまで配置されていたキハ02と交代する形で配置された様はキハ11-100をキハ12に置き換えたときと類似しています。興浜北線や根北線など名だたる赤字線で活躍することになり、ある程度の効果を上げることはできましたが、キハ01や02と同様、その貧弱な車体ゆえに10年程度しか持たず、根北線が廃線となるのを見届けずにすべて廃車となりました。しかしキハ03-1は旭川工場に保管され、のちに準鉄道記念物に指定されたうえ、北海道鉄道記念館 (のちの小樽交通記念館) に展示保存されることとなり、現在もその姿を留めています。現存する唯一の国鉄レールバスですが、保存しているレンガ扇状庫が老朽化により閉鎖されたうえ、小樽交通記念館も諸般の事情から現在一時休館となっています。
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