キハ02車輌概要

キハ02について
 初のレールバス、キハ01は様々な問題はあったものの、閑散ローカル線の合理化には必要であることが立証されました。その本格的な増備に伴い大規模な設計変更が行なわれることになりました。この設計変更によって誕生したのがキハ02ですが、大規模な設計変更であったにもかかわらず登場時はキハ10000の追番として登場し、同一形式と見なされていました。
 キハ02は車体寸法自体は変更は無かったものの、運転台は通標(タブレット)授受に便利がよいように他の鉄道車輌と同様に左側となり、前面形状はいわゆる湘南型の2枚窓となりました。ドアもそれまで前後2ヶ所あったのを車掌業務に都合がよいように中央に1ヶ所へと変更され、ちょうど当時のツーマンバスと同じような外観となりました。そもそもキハ01で前後に扉を設けたのはワンマン化も視野に入れていたのですが、組合の反対にあいこれを断念して完全なツーマン仕様に変更したとする説もあります。大幅な外観変更があった一方、エンジンや耐寒装備などに大きな変更は無く、キハ01の50番台のモデルチェンジ車といった感じも伺われます。しかしこのキハ02では寒地向け車輌 (キハ02-1〜11) と暖地向け車輌 (12〜17) が作られ、暖地向け車輌では耐寒装備が簡略化されています。なお、キハ01〜03のレールバスの塗装は登場した当初は赤2号とクリーム4号でしたが、昭和38年ごろから赤2号を一般型気動車と同じ朱4号に塗り替えられてゆきました(塗り分けは同じ)。つまり登場した当初は、特急型気動車と同じ塗料が使用されていました。(余談ですが、そういう理由で履歴の背景色も赤2号っぽくしています)

 合計17輌が製造されたキハ02のうち耐寒型の1〜11 (旧キハ10012〜10022) は予定通り北海道に配置されましたが、キハ01と同様耐寒装備が不十分であったため北海道用として登場したキハ03が配置されるようになると、キハ02-11を除く全てが本州へ移って行くことになりました。一方暖地型の12〜17 (旧番キハ10023〜10028) は新製配置された場所からほとんど離れず、ずっと同じ場所で働き続けてゆきました。また、最後まで営業を続けていたレールバスはこのキハ02でした。


キハ02 (旧キハ10012〜10028)性能
全長
全幅
全高
重量
定員
10900mm
2602mm
3050mm
10.1〜3t
60人※
エンジン
出力
変速機
便所
デッキ
DS22×1
75馬力
前進4段・後退1段
なし
なし
製造期間
製造輌数
消滅年
保存
1955〜56年
17輌
1969年
なし
※ 定員には46名 (座席40立席6) とするものもあり


関連車輌
キハ01
キハ03
キユニ01