キハ28-5000は余剰となったキロ28の有効活用として考え出された格下げ車です。キハ28でありながら運転台がない異端車としても有名でした。主に四国で行われ、九州でも3輌が改造されました。5000番台のほか5200番台と5300番台があり、それぞれの概要は以下のようになります。
- 5000番台はキロ28のうち4DQ-11PとDM72という発電装置を持った自車冷房の車輌を格下げにしたもので、発電装置を改造して5200番台に変わったものもありました。
- 5200番台はキロ28のうち4VKとDM83という発電装置を持った2000番を加えられた車輌で、自車を含め3輌に給電することができました。
- 5300番台はキロハ28-1を再改造したもので、番号区分がされていますが、1輌しか存在しません。発電装置は5000番台と同じ4DQで自車のみの発電です。
改造はキハ26の格下げ車と同様に表記の変更のみで車内設備の変更はされていません。そのため定員はキロ時代と同じ52人で、シートもそのままデラックスなままでした。ただ、5300番台だけは元の車輌がキロハ28であるため定員は64人になっています。
有効活用として登場したキハ28-5000ですが、運転台がなく短編成化に適さないことや定員が少ないことなどから廃車が進み、5000番台は国鉄時代に消滅し、5200番台も半数程度がJRに継承されましたが、その多くが数年のうちに廃車されました。最後に残ったのは九州にあった車輌で、シーサイドライナーなどに使用されていました。
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