ATSを解説するにあたり、最初に最も基本的なATS-Sを例にあげてその操作と動作について説明を進めてゆきます。
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最初にATS操作に関係する機器の名称と位置を示しておきます。これはクハ103の運転台で、車輌によって機器の配置が微妙に異なっていることが多いです。なお、この車輌はATS-SとATS-Pの両方を搭載しています。ATS-S系列のみ搭載している車輌にはCとDは取り付けられていません。
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列車が通常走行しているとき、BのATS警報ランプは白灯がついています。
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赤信号の1つ手前の信号付近にある地上子(A点)を通過すると、警報ベルが鳴り、ATS警報ランプは赤灯がつきます。
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5秒以内にブレーキ操作をし、@のATS確認ボタンを押します。ここで言う「ブレーキ操作」とは、自動ブレーキならば「保ち」以上、電気指令式ブレーキならば「抑速」以上のことを言います。もちろん、ブレーキ操作を行なっている最中に警報ベルが鳴ればすぐにATS確認ボタンを押すことができます。ATS確認ボタンを押したあとはブレーキを緩めることもできます。
確認ボタンを押すとベルは鳴り止み、かわりに「キンコンキンコン」というチャイムが鳴ります。また、ATS警報ランプは赤灯から白灯にもどります。
自動ブレーキの「保ち」とはこのブレーキハンドルの位置です。
一連の動作としては、ベルが鳴る→ブレーキ操作をする→ATS確認ボタンを押す→停止する→警報持続ボタンを押してチャイムを止める、ということになります
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停止信号であるB点の手前で停止し、Aの警報持続ボタンを押せばチャイムは鳴り止み通常の運転に戻ることができます。
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警報ベルが鳴ってから5秒以上何もしなければ非常ブレーキがかかり、列車は停止します。これは誤った確認動作を行なってもブレーキがかかります。
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信号が変われば出発できます。もちろん、この先の信号が赤であれば再びATSの警報ベルが鳴り、同じ動作を繰り返さなければなりません。
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ただしATS-Sには確認扱いをしたあとは、完全に運転士のブレーキ扱いに頼るものとなります。そのため@の確認ボタンを押したあと、ブレーキを緩めたまま走行しても(仮に力行したとしても)赤信号であるB点を越えても非常ブレーキはかかりません。これが基本型ATS-Sの最大の欠点です。そうした欠点を克服するために様々な機能が付加されてゆくのです。
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