通勤・近郊型気動車

あらまし
 キハ17系に始まり、キハ20系によって確立された気動車列車ですが、地方都市ではある問題が生じていました。通勤時間帯の混雑です。キハ17系にしろキハ20系にしろドアは片側2ヶ所しかなく、混雑時の乗降に支障をきたしていました。また、車内も扉付近を除いてクロスシートであったため、立席の乗客は狭い通路部分に押し込められ、身動きが取れない状態となっていました。そこで電車のようなロングシートで3扉の車両が開発されることとなりました。
 折りしも101系電車が登場したあとであり、切妻車体、グロベンなど似せたスタイルとなりましたが、軽量化されている気動車にとって3扉にすることが車体強度の関係上問題となりました。そこでキハ60で試用した外吊扉を用いることにでこれを解決することができました。このようにして独特のスタイルが完成し、両運転台のキハ30、便所なしのキハ36というバリエーションで登場しました。
 のちにロングシートで2扉のキハ37とキハ35を改造したキハ38が登場しましたが、どちらも少数が生産されたのみに終わっている。なお、キハ37は「近郊用」として試作された車輌ですが、セミクロスの車両が登場しないまま生産を終了したため、一応通勤用に区分しています。

 一般型気動車はラッシュ時の混雑に弱く、通勤用気動車は座席の少なさが閑散時間帯の乗客に嫌われました。そこでラッシュ時の混雑もある程度対応できそれ以外の時間帯でも座席数が確保できる車輌の開発が行われ、キハ23系が登場しました。キハ23はその中で両運転台の1エンジン車として登場しました。
 「近郊型」と呼ばれたこの形式は扉はキハ20系と同じ車端より少し中央よりに2ヶ所と同じなのですが、両開き扉としてスムーズな乗降ができるようにしました。その戸袋窓の部分はロングシートとして扉付近の混雑を緩和するとともに立席定員の確保にも努めました。車体長は長くなったものの、座席配置の関係からシートピッチは1400mmとキハ20系より70mm短くなってしまいました。
 キハ53だけは特異な形式となっており、キハ23系としてのキハ53よりも、他形式からの改造のものが多くなっています。残念ながらそれらもほとんどが廃車となり、JR後に登場した1000番台が現在唯一のキハ53となっています。



通勤型-キハ35系ほか
キハ30   キハ35-0   キハ35-500  
キハ36   キハ37・38   キハ35-300・キクハ35  
近郊型-キハ23系ほか
キハ23   キハ24   キハ45  
キハ46   キハ53-0   キハ53
200・500・1000
 


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