キハ66・67について |
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1970年代半ばになるとキハ17系は生来の陳腐な客室設備と老朽により廃車が検討されるようにました。気動車王国であった筑豊地区でも同様で、キハ66と67が誕生することとなりました。 キハ66と67では今まで気動車になかった「ユニット」という概念を作り出し、キハ66とキハ67が1つのユニットとして使用されることが前提となりました。ユニット化の特徴としてトイレと冷房関係があげられます。つまりキハ66にトイレをつけ、キハ67に冷房用の発電機を搭載してキハ66に給電するという方式がとられました。エンジンはキハ181やキハ65で使用したDML30HSDをパワーダウンし、信頼度を上げたDML30HSHを搭載しました。冷房も分散式のAU12ではなく、電車などで使用されている集中式のAU75に変わりました。キハ66の発電装置には騒音防止のためカバーが取り付けられていましたが、オーバーヒートすることが多かったため取り外して使用されていました。 客室は普通や快速だけでなく、急行としても使用できるように大部分をクロスシートにしましたが、このクロスシートは気動車としては初めて転換式となり、急行となっても遜色しないものとなりました。窓はキハ65同様ユニットなどですが、キロ28などグリーン車と同じような2連窓となり、車端よりやや中央によった両開きの扉とともに新たな気動車のイメージを作り出しました。 1975年に直方に投入されたキハ66と67ですが、エンジンや冷房のトラブルに見舞われ、製造コストの問題から各15輌のみの生産で中止されてしまいました。その後も長く直方を本拠地とし、JR後はローカル輸送のみの運転となりましたが、エンジンをDMF13HZAに換え、冷房や変速機も交換するなどの体質改善がなされて活躍を続けました。やがて筑豊本線が電化されるとワンマン改造を受け、全車が長崎に移りました。 |
性能 (キハ66/67) | ||||
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全長 |
全幅 |
全高 |
重量 |
定員 |
21300mm |
2930mm |
4077mm |
98/100人 |
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エンジン |
出力 |
台車(動台車/従台車) |
便所 |
デッキ |
DML30HSH ×1 |
440馬力 |
DT43/TR226 |
あり/なし |
なし |
製造期間 |
製造輌数 |
消滅年 |
保存 |
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1975年のみ |
各15輌 |
現役 |
なし |