キハ65車両概要

キハ65について
 気動車にとって勾配は難敵です。蒸気機関車ほどではありませんが、勾配区間にくるとその速度はぐっと落ち、エンジン音だけが山並みに響く状態が続きます。そのためこのような区間には急行だけではなく、普通列車にも2台エンジンの気動車が使われました。しかし1970代を目前にしたころ、急行気動車列車には新たな問題が生じました。冷房の問題です。架線の下を走らない気動車の場合、冷房に使う電気は自分で作り出さなければなりませんが、車軸発電機ではもちろん得ることはできません。そこで発電機を積み、これから電気を供給するのですが、勾配区間を走る2エンジン車の床下に発電機を取り付ける余裕はなかったのです。そのため屋根上に冷房ユニットがある車輌でも冷房が使えないという事態が発生していました。
 この事態を解決したのがキハ65です。この問題を解決するポイントは2つ。強力な出力の確保と発電機の搭載です。まず強力な出力を得るためにキハ181で使用したDML30HSAを改良したDML30HSDを搭載し、1輌で500馬力の出力を得ました。次にエンジンを1つとしたことで3輌に給電できる発電機を搭載する余裕ができました。こうして出力と電源という2つの問題を解決できたのですが、キハ65では他にもキハ58系と異なる点がありました。 まず大型のエンジンと2台の放熱機、そして発電機のため水タンクのスペースがなくなってしまい、トイレと洗面所が設置されなくなりました。次に扉を折り戸とした点です。この折り戸はキハ90などで試作されオハ12系などでも使用されたもので、これにより戸袋部分の窓も開閉できるようになりました。窓についてはそれまで1段上昇窓でしたが、ユニット窓となり急行電車のようになりました。台車もDT22ではなく、新設計の空気バネ台車になり、ブレーキもディスクブレーキとなりました。客室はもちろんクロスシートですが、トイレと洗面所がなくなったためシートピッチが拡大され、普通車としては快適なものになりました。
 キハ65には暖地用の0番台と寒地用の500番台があり、寒地用ではタイフォンシャッターと床下機器の耐寒対策が追加されています。配置は山間部に多く、寒地用は長野に配置されました。しかし時すでに遅く、電化や急行列車の見直しが行われ始め増備は100輌程度に終わりました。その後500番台は0番台と同じように使用され、山間部を越える急行に使用されましたが、JR後は急行の廃止や強力エンジンがゆえの騒音から余剰気味となり、ジョイフルトレインや特急用に改造されたものもありましたがその多くはキハ58系と同様ローカル輸送にあたることになりました。そして現在非改造車の半数は廃車され、ジョイフルトレインも廃車が進んでいます。


性能 (登場時)
全長
全幅
全高
重量
定員
21300mm
2903mm
4085mm
42.9t
84人
エンジン
出力
台車(動台車/従台車)
便所
デッキ
DML30HSD ×1
500馬力
DT39/TR218
なし
あり
製造期間
製造輌数
消滅年
保存
1969〜71年
104輌
現役
なし