T社のキハ45系の模型発売ということで、本来は催事室で扱うことなのですが、キハ45系というのは気動車の設計がほぼ確立した時期であるうえに
製造数が少なかったこともあって「模型的」に目立った設計変更がほとんどないのでここでさらっと紹介するにとどめます。 まず最初に「キハ45系」についてまとめると、キハ45 (2代目)、キハ23、キハ53、キハ46、キハ24のことを指し、以下の番号区分があります。
上記形式のうち北海道用のキハ46と24はデッキつきの片開き扉であるため車体形状は異なりますが、キハ45、23、53は ほぼ同じスタイルとなっています。キハ45と23では寒地向けの区分がされていますがキハ58系の区分に比べると外観上は ほとんど違いは見られません (違いは機関カバー、ドアレールの保温など)。キハ53の「長大編成対応車」とは、 キハ58-400と同様に長大編成となった際に発生する制御電圧低下、ブレーキ動作の遅れなどを防ぐ措置をしたもので、 システム上の区分で外観上の違いはありません。キハ45の簡易荷物車は車輛の前位側 (運転台側) を荷物室とすることが できるようにしたもので、前位側戸袋窓から2つ目の窓の部分までがロングシートとなっていて、この境目か前位ドアの直後に 仕切りとしてアコーディオンカーテンが取り付けられるようになっていました (荷物扱い中はこれを閉め、それ以外の時は 通常の客室として使うため)。荷物扱い廃止後はアコーディオンカーテンも撤去され、単なるロングシート拡大車輛と なっていました。 先に述べたように、製造数が少なくその期間も短いため「模型的」に目立った設計変更もほとんどありません。しいて あげられるのがタイフォンシャッターについてです。もともと暖地向けの車輛にもシャッターはついていましたが 寒地向け車輛が製造されたころから区別のため (か?) シャッターをスリットに変更しました。スリットとなったのは 以下の車輛です。 他の改造としてはキハ53の簡易荷物車改造とJR東日本の更新改造があります。簡易荷物車改造はキハ53の1と2が木次線に 1984(昭和59)年に転属する際に行われたもので、前位側 (トイレのない方) のロングシートなどを撤去して事務用の腰掛と机を設置し、 簡易荷物室と客室 (クロスシート部分) の間にアコーディオンカーテンを設置したものでした。しかし木次線の荷物輸送が翌1985(昭和60)年に 廃止されたため、元の座席配置に戻されました。また、この改造による改番は行われていません。 JR東日本の更新改造はキハ58系やキハ52と同様のもので、外観上の変化をあげるとエンジンをコマツ製のDMF11HZに換装し、 Hゴム支持の窓を金属枠支持としたぐらいです。この改造は1990〜1992年に行われ、落成当初はいわゆる「赤鬼色」となっていましたが 次第に各地域の色に変更されました。なお、この改造はキハ23-500 (11輌) のみに対して行われており、キハ45については対象外と なっています。 冷房改造についてはキハ23-520のみAU34を搭載した改造が行われましたが、他はすべて非冷房のまま廃車となったため詳細は省略します。 気動車の総数がピークに達する時期に登場したキハ45系は、単純な無煙化から電化へと移行する時期であったため数も少なく、性能や客室設備の 面ものちに登場するキハ40系 (特に形状が類似するキハ47) と比較すると見劣りした地味な存在となりました。雑誌の特集でもほとんど取り上げられて おらず、模型化も大手ではG社でキハ23と45が発売されたぐらいで、半ば無視された存在でした(これを使ってキハ53を作りましたけど...)。 けれども今回はT社からキハ45系すべての形式が発売されるという快挙 (?) が行われ、これによりより一層気動車の編成が楽しくなりそうです。 ただ、キハ24・46に関しては需要がかなり低いと思われ、この機会を逃すと再販はないように思いますので迷われている方は是非ご購入を...。 え、それで肝心の模型の写真がない?まぁ、まだ私もこれから購入するところですから...。 |
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きはゆに資料室長 |