本物マスコンで...予告

 ちょうど1年前、このコラムで堂々と発表した「本物のマスコンを使って鉄道模型を運転する」という計画ですが、決して立ち消えになっていた ワケではございません。当初設計した回路では電圧差が大きいところと小さいところがあり、さらにノッチ進段の具合によっては瞬間的に12Vを越える こともあったため回路の設計変更を余儀なくされていたのでした。ただ、以下のような接点回路、特に1ノッチで3つの接点を使っているのに次では 2つだけを使うという難問がありました。
停止 1 2 3 4 5
@ × × ×
B × × ×
C × ×
D × × × ×
端子Aは電気の供給元
 申し遅れましたが、ここで問題にしているのは電圧を変換させる半導体である「三端子レギュレーター」の回路で必要となる抵抗値の設定でして、 この抵抗値が大きくなると減圧がされず、逆に抵抗値が0に近くなると大幅に減圧 (最小1.2V) にする事が出来るのです。つまり、@BCDの各接点で 動作させるリレーで抵抗に接続させるか否かを決めて抵抗値を変化させるので、この抵抗値の設定が一番の問題になる...ということです。
 ともかく、今までの組み合わせではどーにもこーにもならなかったので、抜本的にこの部分の回路を変更する必要がありました。そのとき知ったのが 「合成抵抗」でした。今までの回路は抵抗を直列につなぐもので、抵抗値はR=R1+R2...と単純に加算されてゆくのですが、この合成抵抗では 抵抗を並列につなぎ、抵抗値は1/R=1/R1+1/R2...と逆数で計算するため、抵抗の数が同じでも組み合わせによって大きく差をつける事ができるのです。 まぁ、電気の知識がある方にとってはアホアホな事と思われますが、私にとってはこの上ない大発見でした。そんなこんなで改良したツナギは以下のものです。
停止 1 2 3 4 5
@ × × ×
B
C × ×
D × × × ×
端子Aは電気の供給元
 端子Bを直列・並列の切り替えのリレーを作動させるものとし、並列時には端子@をスルーさせる事である程度の抵抗差を保つ事が出来るようになりました。 この場合の抵抗値は@>C>Dとなります。実装例として、@=430ΩC=330ΩD=230Ωとすると、1ノッチは135.5Ω、2ノッチは330Ω。3ノッチは560Ω。 4ノッチは760Ω、5ノッチは990Ωとなります。この抵抗値の差が電圧差につながりますので、この差が均一であればあるほどスムーズな加減圧が可能になります。 ただ、この回路では切ノッチも停止ノッチも同じとなるのが残念なところなのですが (切ノッチでは端子@と接続しているのですが、並列回路時は端子@を スルーするため接続していないものと同じになる)、これは仕方のないものと処理しました。
 とまあ、こんな感じで製作は進み、先日回路が完成しいよいよ実用試験を行いました。その結果は.........失敗!!
 ですが、これの原因はすぐにわかりました。この試験はお世話になっている、とあるレイアウトで行ったのですが、そこのレイアウトにあるK社製の コントローラー用の電源アダプターを使ったことによるものだったのです。本来は当方で用意していた直流15Vに変換するACアダプターを使用するつもり だったのですが、たまたまK社製のアダプターが転がっており、それの出力が15Vだったな〜と思い使ったのですが、これが直流ではなく交流15Vという 極めて稀なシロモノだったのでした (そもそもK社のコントローラー自体、同じような回路だと思っていました)。後日、再試験を試み、当方保有の純正(?) ACアダプターを使用したところ、レギュレーターICも破壊されておらず無事に走行しました。加減速も最初の回路よりもスムーズで、最高電圧も10.9Vに 抑えたため瞬間的な12V越えも発生せず、大成功 (だと思う) となりました。

 この回路ですが、その詳細と製作記は次回に発表いたします。ただ、気動車用のMC19専用、ということだけはあらかじめお断りいたします。

きはゆに資料室長