いきなりですが、古い時刻表に載っている列車の時刻を調べようと思ったとき、どのようにすればいいでしょう。その1・その
時刻表を古本で購入する。最近のものならあるかもしれませんが、大変です。費用もそこそこかかります。その2・ネットで探す。費用は
かかりませんが、目当ての情報に巡り合うのは奇跡に近いかもしれません(ちょっと大げさ?)。その3・時刻表が置いている鉄道関係の
店を当たってみる。あくまでも「店」ですので、費用もそこそこかかりますし、探している号が必ずあるという確証もありません。
その5・鉄道関係の博物館付属の図書館で調べる。最も有効ですが、コピーが出来ないのがほとんどですし、入館料もかかります。
また、開館日が土日に限られていることもあり、いつでも、とはいきません。 いろいろと方法を述べてきましたが、私が最もオススメするのがここです。 国会図書館! その名前からちょっと入りにくい印象がありますが、18歳以上なら誰でも(外国籍でも)利用できます。著作権法の範囲内で 複写(コピー)もできます。普通の書籍はもちろん、雑誌類も結構揃っており、もちろん時刻表や主要鉄道雑誌などもあります。 いかんせん、雑誌ですから昔の号は欠本も多く、鉄道雑誌では市場に流通しているものでも「欠」となっている場合もあります。 さて時刻表はというと、1964(昭和39)年以降ならばほぼすべてが揃っています。これも交通公社の大型の時刻表ですので、弘済 版や小型版では欠本部分がある可能性があるかもしれません。 さて、国会図書館の利用方法ですが、まず場所から。場所はまさに国会議事堂の目の前。永田町にあります。最寄り駅は 東京メトロ有楽町線の永田町駅2番出口です。都バスは最も近いのですが、ここでは省略...。 国会図書館は本館と新館があり、本館の入り口は登録者のみとなっているため、新館の入り口から入ります。入館手続きをする 前に、荷物をロッカーに預ける必要があります。国会図書館ではB4サイズ以上の不透明のものは持込が出来ません。資料や筆記 用具などを持ち込む場合はここで備え付けのビニール袋に移し変える必要があります。ですので、なるべく荷物はないほうがいい です。後述しますが、手続きに必要な筆記用具は備え付けられていますが、できればボールペン1本は持参したほうが便利です。 入館手続きはタッチペンで氏名、住所、電話番号、生年月日を入力し、当日有効のICカードを発行します。このICカードで その日の行動全てを行うことになります。自動改札のようなゲートにカードをかざし、入館!雑誌の閲覧カウンターは新館にある のでその点では便利です。それではお目当ての資料を探すことになるのですが、これはコンピュータ端末で検索します。この検索は インターネットでも出来ますので、あらかじめ検索の練習をしておくのもいいかもしれません(アドレスはあとで...)。 たとえば日本交通公社の時刻表を閲覧するとします。しかしタイトル-「時刻表」出版者-「日本交通公社」と検索しても、2件しかヒットしません。 時刻表は毎月発行されているはずなのに...。ここがポイントです。「日本交通公社の時刻表」という分類では1件しかないの ですが、「何年何月の号」というのはここからさらに検索する必要があります。「所蔵情報」の下のほうにある「所蔵詳細/申込み」 をクリックすると、各年各月の号がずら〜っと出てきます。中には2か月分が合冊されているものもありますので、ご注意下さい。 インターネットでは申し込むことは出来ませんが、館内の端末ではここから申し込みをします。申し込みは一度に6冊まで(合冊の ものは1年分でも1冊です)できますが、あまりたくさん申し込むと、あとで大変なことになります。申し込みを済ませると、受け取り カウンターで待ちます。この待ち時間は10〜20分ほどと結構かかりますが、徐々にコツをつかむと手際よくする事が出来ます。 ICカードの番号が表示されればお目当ての雑誌が到着したということですので、カウンターに受け取りに行きます。返却も同じ 場所で行います。 閲覧だけならそのまま返せばいいのですが、もし複写したいと思うのならば1階下の複写カウンターに行きます。複写をするには 複写の申し込み用紙をICカードを使って印刷し、必要事項(複写するページ・ページ数)を記入してカウンターに複写する書物と ともに提出します。複写料金はモノクロA4〜B4までが1枚25.2円(小数点以下は切り捨て)となっています。カラーやその他のサイズも ありますが、それは後述の国会図書館のホームページでご覧下さい。 国会図書館には食堂もあり、弁当を持参することも可能です。開館は9時半から19時まで(閲覧受付は18時、複写受付は18時半まで) ですので、一日中どっぷりと入り浸ることも出来ます。個人的な感想ですが、国の施設とは思えないぐらいの接客の良さで、実に 気分良く利用できます。わからない事があれば近くにいる職員に気軽に聞く事ができますし、長く居ればすっかり顔なじみ(?)です。 強いて言うなれば、受け取りカウンターと複写カウンターの階が異なる事が唯一の問題です。重い資料(時刻表6冊がNGというのは こういう理由です)を抱えて階段を上り下りするのは結構大変で、それを繰り返すと体を痛める可能性もあります。エレベーターも ありますが、1回分だけの利用というのも気が引けます(心臓に剛毛が生えている方はどうぞ!)。 首都圏以外の方は利用しづらいという弱点はありますが、利用してみれば1日では足りない!と思われるはずだと思います。 首都圏にお住まいの方ならば、頻繁にご利用する価値があると思います。「鉄道雑誌を見るのはちょっと...」と言う方! 大丈夫ですよ。マンガ雑誌などを閲覧されている方もいらっしゃいますから。堂々と申し込んでください。今回は鉄道がらみで 紹介しましたが、別に鉄道に限らず学術研究のためとか、買いそびれて抜けてしまった雑誌のマンガを見たいということでも 利用できます。新聞や地図なども所蔵されているので、興味があればいくら時間があっても足りなく感じます。ぜひ一度、足を 運んでみてください。 国会図書館ホームページ ↑ここから「東京本館」をクリックすると本館の様々な案内が出てきます。 蔵書検索 ↑とりあえずはこちらで検索してみましょう。雑誌を検索する場合は「和雑誌新聞」にチェックが入っているかを確認して下さい。 ←閉館後の国会図書館を出ると「白い巨塔」がお出迎え(^-^;) |
きはゆに資料室長 |