年月日の表記方法について

 当資料室の年月日の表記は原則として西暦の下2桁+月(2桁)+日(2桁)で行っています。先日のアンケートの結果、この年号の表記方法に ついて「改善すべき」という御回答が何件かありました。ただ、このアンケートでは「表記方法の何が悪いのか」という所までは 踏み込んでおらず、とりあえず西暦→元号の変換表のボタンをページタイトルの下にとりつけ、応急措置としました (廃線書庫を 除く)。
 しかし根本的にこの表記については改善ができていないと私も実感しています。そもそもこれらの資料の「もと」を作成した ときも、新製時のように年月日欄が独立している分はともかく、転属での記載ではその量もあり、なるべくスペースを少なくする 必要が生じました。本来ならば小牛田から名古屋に1985年12月1日に転属した場合、「小牛田1985.12.1名古屋」と記載するのが最も 丁寧なのかもしれませんが、これでは字数が多くなりすぎ転属の多い場合では画面がとてつもなく横に広くなってしまうのです。 そこで西暦の上二桁は省略して下二桁だけにし「小牛田85.12.1名古屋」となったのですが、一部の月日については誤認しやすい という問題が生じました。まさにこの例がそれで、「小牛田85.12.1名古屋」と「小牛田85.1.21名古屋」が混同してしまうという ありました。当資料室がネタ元にしている古い鉄道雑誌ではこうした誤記がまれにあり (活字を組む時代なので「.」の位置を 左右逆にしてしまうなど) 、この問題は資料の作成側だけでなくご覧頂く皆様にも誤認を招きかねないことから欄が独立している 新製時以外では1桁の月・日には「0」をつけて「小牛田85.12.01名古屋」として「小牛田85.01.21名古屋」との区別が容易に できるようにしました。けれどもこれは再び結果的に文字数の増加となりました。そもそも「.」はご覧頂いてもおわかりのように ほとんどスペースをとらず、あるのかないのかもわからない存在ですので問題ないとおっしゃられるかもしれません。しかし スペースをとらないのであればあっても意味はなく、逆に「-」や「_」のようにはっきりと存在がわかるものであればスペースが 必要となるジレンマが生じました。結果的に当資料室では「.」をなくして完全な6桁の数字とすることにしましたが、これには 年月日を6桁の数字で統一できるというメリットもありました。スペースの問題では1月1日ならば最小となり、この6桁化は逆効果 となってしまいますが、1月1日でも12月31日でも同じ桁数の数字に統一すれば表記スタイルが崩れることもなく、わかりやすいの ではないかと考えたのです。
 しかしここにきて2000年問題が発生してしまったのです。一時コンピュータ界全体を震撼させたほどの大問題ではないのですが、 この6桁の表記の場合2000年2月2日に転属をした場合「小牛田000202名古屋」とやたら「0」が続いてしまい、わかりにくくなって しまったのです。そもそも元号ではなく西暦を採用しているのは「昭和」や「昭」、「S」などをつける必要がある点の他に 車齢の計算がしやすいことがありました。特に平成になってからは元号と西暦の換算が難しくなり、より古い車輌の「歳」を 計算するのが困難になりました。しかも大正生まれの蒸気機関車ともなれば3つの元号にわたることになり、昭和も遠くなりつつ ある現代では西暦での表記の方が良いと考えてこのようにしています。しかし下二桁での表記では少なくとも2009年までは 「0」から始まることになり、またやがて大正生まれの車輌と重複する (9600は大正3年=1914年生まれ) ことになります。 しかしここにきてコンピュータのようにすべてを8桁化する訳にもいかず、かといって2000年以降の車歴のみ8桁とするのも スタイルの崩れを生じさせる結果となるため6桁のまま特別な区別はしないまま至っています。特に2000年の車歴については 大変わかりにくくなっていますが、どうかご了承願います。
 ほかにもある年まではわかっていても詳しい月日がわからない場合は「84年度」としたり、日のみがわからない場合「8204--」 としたりする表記についてもわかりにくくなっています。公開初期では「年度」の場合も「84----」と不明は「-」を使用して いましたが、「-」が続きすぎてわかりにくいことの他、「1984年」なのか「1984年度」なのかがわかりにくいことから順次 「年度」表記に変更しています。なお、「1984年度」とある場合は1984年4月〜1985年3月となりますのでご注意ください。また、 日のみ不明の場合は従来どおり「-」を使用したままにしています。

 このようなことは作成者として何となくわかっていたのですが、アンケートにより皆様からの声を頂くまでは大した懸案事項と ならなかったのも事実です。蒸気機関車の新製時に限ってはあまりにも古く、元号の方がなじみがあるのではないかと思い 変換表を作成していましたが、今回ほぼすべての車歴ページに変換表をご覧頂けるようになりました。今回の変換表はアンケート 結果反映の第一弾ですので、今後アンケートに頂いたご要望に出来るだけお応えできるようにいたしますので、何卒よろしく お願いいたします (様々な限界もありますが出来る範囲で...)。


きはゆに室長