このたびめでたくT社からキハ20系 (キハ20・キハ25・キハ22・キハユニ26) が発売されました。思い起こせば2年前、キハ17系が
発売され、その後立て続けにキハ58系冷房準備車、キハ55系、レールバスと実に多様な車種が登場しました。そして今回のキハ20系
です。キハ20系は普通列車を構成するうえでは不可欠でしたが、K社のキハ20系はT社のキハ58系などと並べるとどうしても見劣りが
するうえカプラーの違いもあり、どうしても相性が悪い存在でした。そんなときに飛び込んできたのがT社からキハ20系が発売
されるというニュースでした。しかも今回はキハ22も加わっているということで、そのラインナップはより充実するものに
なりました。キハ22自体はG社やMi社から発売されていますが、前者は多少組み立てる必要があるのと床下の再現がうまくいって
いない点で、後者の方は4輌セットのみで高価となるという点で問題がありました。今回のT社のキハ22は単品売りで床下機器も
申し分なく、しかも耐雪カバーまでついているという丁寧さです。この床下機器の充実ぶりはキハ17系のDMH17Cエンジンの再現で
大きく発展したように思われます。キハ55系からはエンジンが別パーツになり、その精巧な出来にただ感心するのみです。 こうしたT社の開発に刺激を受けたのか、他社でも気動車の新車種開発が活発になってきました。もともと気動車を多く出し、 キユニ28などマニアックなものも手がけているMi社ではキハ07を戦前型と戦後型の2種類をもうすぐ発売しますし、今年中には キハ23系3種セット (キハ23・45・53) やキハ24系2種セット (キハ24+46) 、さらにキハ38まで発売を予定しているようです。 一方鉄道模型の老舗であるK社もこれまでの遅れを取り戻すべく(?)、キハ40系のリニューアル(Hゴムの灰色化)を手始めに キハ35(系)の発売が発表されました。キハ35系は昔Mo社で発売されており、T社のカプラーが装備されていることから今回は K社独自の開発が予想されますし、K社で編成を組んでいらっしゃる方には朗報なのではないでしょうか。ただ残念なのは、過去の 製品ではK社もMi社も車番に選択の余地がなく、車番を変更するには一度その車番を消し、適当に探し出してきたインレタを 組み合わせる必要がありました。簡単に往時の編成が再現できますが、ちょっとこだわりのある方にとっては不満があるかも しれません。 今回T社でキハ20系が発売され、ようやく非電化ローカル線の再現が大いに出来ると思うのですが、まずその値段でつまづいて しまいます。非動力車でも定価はキハ20で4000円以上となりますし、動力車では7000円弱にまでなってしまいます。この床下 機器をみると納得せざるを得ませんが、どうしても数をそろえる場合は大変な金額が必要となります。また、このようにブームの ようになっている気動車も、鉄道模型全体で見ればまだ需要はそれほど大きくないように思えます。事実、キハ17系は発売から 2年が経っていますがいまだに再販の様子はなく、この新発売の時期を逃すと今度いつ発売になるかわからない状態です。それゆえ 短期購入、短期資金調達という「ワザ」がひつようであり、特に若年ファンにとっては厳しいのが現状でしょう。今回の気動車 製品化ブームが団塊世代の退職をターゲットにしているのが価格上昇の一因にあるように思います。今後鉄道模型をやり続ける ファンを残すためには、もう少し価格を抑え、若年層も手を出しやすくする必要があるのではないでしょうか。 |
きはゆに室長 |