ニュース映画で見る鉄道車輌

2006年12月10日補足
  2006年12月1日でCSでの放送が終了しました。BSでの放送は続いておりますが、 データ放送であり録画はできません。
  BSの999チャンネルとCSの990チャンネルで「ニュース映画で見る昭和」 (製作・日本ビーエス放送) という番組が あります。文字通り、かつて映画館で映画の上映前に流されていたニュース映画 (もちろん私は本物は見たことがありません) から昭和を感じる、という番組なのですが、時折ちらちらと鉄道車輌が顔を出しています。また、極めてまれではありますが ニュースの主役として登場することもあります。
 今まで私が見たなかでニュースの主役となったのは昭和37年のニュースで北陸トンネルの開通と新線の切り替え、昭和40年の ニュースで新幹線の車輌整備の様子の2つ。特に北陸トンネルのニュースでは廃止となった杉津駅や旧線越えに活躍したDD50の 運転台添乗 (もちろん音つき) など極めて貴重な映像がありました。主役となっていないニュースでも、ニュースによっては 映像のひとコマに登場することもあります。全戸と各地の風土を紹介するニュースではその地域の玄関口として駅と駅に発着 する列車が写り、水害や地震などでは被害を受けた線路や身動きが取れなくなった車輌、復旧運転の列車などが写されています。 いずれのニュース映画からも、移動手段としてまだ鉄道が主役だったことが伺われます。一方、他の交通機関が写された ニュースもありました。飛行機に関しては国内外の要人や有名人の来日・出国のほか、飛行機事故のニュースが多いことも 特徴的です。今のところ私が見た範囲は昭和35年から昭和41年(12月現在では昭和45年)までですが、その間の航空機は急速に発達しています。その 一方で多くの事故もあり、鉄道と同様に安全対策 (フライトレコーダーの搭載など) も発達してゆきます。また、バスは貸切の 観光バスで長距離のものが一部ある以外は地域の足として写されていることが多いです。バスもボンネットバス、ツーマンバスが ほとんどで、現在のようなワンマンバスはほとんど見られません。道路事情も悪く雨が降るとぬかるみ、地方に行けば行くほど 鉄道の存在意義は大きかったことが感じられます。

 放送は月単位でシリーズ (おおかた1年分) が変わり、1シリーズに数種類のニュース映画が放送されます。ただし数は シリーズによってまちまちで、多いときでは6本、少ないときでは4本ぐらいになっています。放送時間は平日が1:00、10:30、 13:00、22:00 (CSの時間です) のいずれかから30分となっていて、曜日や週によってその日の放送時間や放送数(1日に3本の日も あれば1本しかない日もある)は変化しています。また、天候に影響される衛星放送ということを意識してかは不明ですが、同じ 月のなかであれば同じニュースが流れることも多いです。一方土曜日の20:00と20:30 (CS時間) の連続1時間はその月の放送 シリーズより数年前のニュース映像を再放送のような感じで放送しています。こちらは毎週異なるニュース映画が放送されて います。

 もちろん鉄道以外にも興味を持つような映像は多くあります。ただ、当時を知らない私が思ったのは、当時の日本が今より 目に見えるほど貧しく、自然災害や事故と戦い、開発とその影響に一喜一憂していたものの、何らかの希望は確かに持っていた ということです。
きはゆに室長