70歳の脇役

   4月19日に「花吹雪」という柴田淳さんの曲がリリースされました。曲の内容は別れと出会いの季節にふさわしく、少しずつ方向性が変わってゆく友人との別れにまつわる不安と友情という信念をテーマにしたものとなっています。しっとりとした曲調の中から伝えられる歌詞は、そういう経験をしたことがあれば心に響きます。ふと、「あいつ、今どうしてるかな...」と。

 このCDの初回限定版には特典としてミュージッククリップ (プロモーションビデオ、以下PV) が収録されたDVDがついています。PVのあらすじとしては、ある田舎において、旅立つ友達を見送るため一緒に駅へ向かうものの、2人には微妙な距離がある。駅に着き列車を待っている間、互いに書いてきた手紙を渡しやってきた列車に乗り込む。片や車内で、片や列車が去ったホームのベンチでその手紙を読むと同じ内容が書いてあり、多少のすれ違いはあっても一番大事な部分ではしっかりつながっているのだと確信する、というものです。
 このPVになんと鹿島鉄道のキハ601が出演しているのです。ということでロケ地も鹿島鉄道の玉造町駅なのです。そもそもPVの始まりが走る列車の前面車窓となっており、鉄道好きの心をとらえるものとなっています。それに加えてPVの大半が駅や列車内、手紙を書くシーンも実は駅事務所を借りての撮影と、鹿島鉄道全面協力となっております。たいてい関東でローカル線の撮影となると小湊鉄道が定番なのですが、鹿島鉄道が舞台となり、しかも御年70歳になるキハ601が脇役として出演しているのです。なぜキハ601が選ばれたのかはわかりませんが、いずれにせよキハ601がこのように映像作品に登場したのはキハ602を含めて初めてではないでしょうか(もちろん鉄道ビデオやニュースを除きます)。しかし、テレビで流れた予告のPVに出た一瞬の車内で「鹿島のキハ600」とわかってしまうのも、ちょっと悲しい気もします。

 発売は4月19日ですので、まだ間に合います。初回限定版の2枚組ですのでケースの幅も太く見つけやすいです。もし手に入れられなければいずれ発売されるであろうPV集をお求め下さい。現在柴田淳さんの公式ページやPV動画配信サイトでこの「花吹雪」PV撮影のメーキング映像が配信されています。こちらも必見です (恐れ入りますがアドレスについては「柴田淳」での検索をお願いいたします)。PVだけでなく、彼女の透明感のある歌声を一度聞いてみてください (申し遅れましたが柴田淳さんはきれいな女性です 念のため...)。最後に注意事項を...。
 曲名は「花吹雪」です!「桜吹雪」ではありません!!

きはゆに室長