みなさんにとって、鉄道趣味を本格的に始めるきっかけは何だったのでしょうか?ワタクシの場合は「駅舎-気ままに途中下車-」という5分もないミニ番組でした。 この「駅舎-気ままに途中下車-」とは1994年ごろ毎日放送(TBS系列)で月〜木曜の19時55分からあった3分(実質2分?)の番組で、JR・私鉄を問わずローカル線の駅を70〜80年代の曲にのせて紹介するという番組でした。基本的に無人駅が主で、無人駅独特のよさが出ており、廃止となった路線も出ています。ちょうど野上電鉄が廃止になった頃で、初期のものや総集編 (事件などで番組を休止した場合、つなぎにする15分ぐらいのもの) にはよく出ており、後期には廃止後の姿が出ていました。登場した路線は近畿と鳥取を中心に、北は京福電鉄、東は長良川鉄道、西は芸備(東)線となっており四国の路線も一部収録されています。因美線に関しては三浦、智頭、郡家以北以外の駅は登場しました。登場する車輌もJRでは国鉄型が多く、姿を消した車輌や列車も多く登場します。まだ津山にキハ53があり、「丹後」「砂丘」「あさしお」の姿を見ることができます。 ワタクシも子供時代にありきたりな鉄道好きの時代を経た後、しばらく「鉄道好き」空白の時期がありましたが、野上電鉄の廃止をきっかけとして再燃しこの番組で完全復活しました。しかし当時は青春18の存在も知らず、金銭的にも乏しかったためあちこちへ出かける行動につながることなかったのです。また、当時は乗り物(バス)酔いということもハードルとなっていました。正確な時期は忘れましたが、1995年ごろに家族で舞鶴へ行った際、本格的に気動車デビュー(?)をして「酔わない」ことが確認されたため行動範囲はぐっと広がりました。単独の遠征は1996年3月から始まり、1997年3月からは親のビデオカメラを借りて番組のまねをして駅を撮り始めるようになりました。当時は番組の影響が強く、ビデオや写真は車輌より駅舎を中心にしており、今考えるともったいない限りです。こういった「駅撮影」には青春18は大活躍をしました。効率よく駅を巡るためにダイヤグラムを作成するようになり、車輌や鉄道の知識も徐々に増えてゆくのでした。しかしこうした行動を起こすには時期が遅すぎ、魅力のある列車や車輌は姿を消し、駅舎も老朽化や管理の問題から撤去されはじめ、次第に魅力を減らしてゆきました。一例をあげるとすれば、備中神代駅です。以前は木造のそこそこ立派な駅舎だったのですが、撮影してから1年ほどたったあと見た駅舎は門のようなものに変わっていました。やがて本格的に気動車に興味を持つようになるのですが、時すでに遅し、という感じになってしまいました。 ビデオ撮影の対象は次第に駅舎から車窓へと変化し、キハ58系の数が減ってくることになると助士席側から前面を撮るようになりました。もちろん駅の撮影も続けていますが、ダイヤグラムを組み、ジグザグ乗車をすることは少なくなりました。というのも、インターネットを使った事前調査で駅舎がなかったり、新しいものに変わっていることが多くなったからです。また、列車本数自体も極端に少なくなった路線もあり、特に遠方ではこれが一番の問題となっています。最近ではビデオのバッテリーがどうしようもない状態になっており、写真のデジタル化や荷物のスリム化もあって撮影することもなくなってきました。 さて、こうしてワタクシに多大な影響を残した「駅舎-気ままに途中下車-」ですが、1995年ごろに終了し、総集編もオウム事件の際に放送されたのを最後に画面で見ることはなくなりました。幸い放送を録画していたため今でもこの番組を見ることはできるのですが、3倍での録画の上、ビデオデッキが古いものであったため今のデッキで再生するとトラッキングが合わず、あまりよい画質で見ることはできません。おそらくこれほどローカル線(駅)を中心に取り上げた番組はなく、今後こういった趣旨の番組が登場したとしてもこれほどまで趣のあるものにはならないも思います。再放送はされていませんし、ビデオ化もされていません(たぶん)。映像を見ていただけないのが残念です。ビデオ化やDVD化されることを切に希望したいです! この番組を知ってるという方は同感していただけると思いますが...。音楽面での権利関係が難しいのかなー? 余談ですが、この番組は「英会話NOVA」の提供でした。もちろん大ブレーク中のNOVAうさぎなどは影も形もない頃ですが、「NOVAの鈴木さん」が登場する頃でした。「オー、ユードロップド・ア・ハンカチーフ」(←ホントにこんな感じ) などの怪しげ(?)な英語を話す山崎一さん演じる鈴木さんが活躍するNOVAと山崎さんがブレークするきっかけ(!?)となったCMです。なお、このCMには続編があって、奥さんとのやりとりのものがあります(タイトル不明)。奥さんの方が英語が上手かったりする...。 |
きはゆに室長 |