鉄道に見る東西の違い

   関東と関西、東京と大阪、江戸と上方。古今を問わず東と西は比較される宿命にあり、比較の対象は多岐にわたります。この比較は基本的に「文化」の差異であり、その文化に起因する「もの」の考え方によるものといえます。鉄道においてもこのような違いはあり、国鉄解体後はこの違いはさらに大きくなってきています。

 有名な違いとしては列車の案内における「こんど・つぎ」と「先発・次発」でしょう。はっきり言いまして、関西在住の室長、「こんど・つぎ」はわかりません。ここでの書き方も正しいかどうかよくわからない状態です。したがってこの違いについては別の形で紹介されているということもあり、今回は省略させていただきます。
 新聞からのネタなのですが、「そういえば...」という違いが記事になっていたので紹介します。それは車内の蛍光灯にグローブ(蛍光灯の覆い)がついているかどうか、ということです。関東ではつけている鉄道会社は少数派ですが、関西では逆にほとんどの会社がつけています。国鉄線は車輌が統一されていたため、私鉄のような違いはなかったのですが、JRとなってから変化しました。現在JR西日本で主力となっている223系、221系、207系はグローブつきとなっています。一方、JR東日本では209系、E231系などは蛍光灯がそのまま顔を出しています。さらにJR西の場合、国鉄型車輌がリニューアル改造をした場合、グローブつきで落成します(そのため少し暗くなるのですが...)。記事によると、この違いは東西でサービスの意識が違うためとしています。つまり関西では国鉄を含めた各私鉄間の競争が激しいためサービスで優位に立とうと、少しでも見栄えのするグローブつき蛍光灯を採用した一方、関東ではこのような競争が激しくなく、むしろ保守上の手間を簡略化するためにグローブなし、となったようです。このことはクロスシート車や無料特急についても同様でしょう。
 ところで室長が関東を旅している際に気づいたことがあるのですが、JR線において「快速」の存在が関西(ここでは京阪神といったほうが正確か?)ではその地位を確立しているように思うのです。大阪近辺の東海道・山陽本線では「快速」のほかに「新快速」があるのは多くの方がご存知であると思いますが、これらの列車は先行列車を次々と追い抜きます。ところが東京近辺の場合、「快速」という種別の列車は一応ありますが、「追い抜き」はそれほど多くないと思います。また、追い抜きがある場合でも中央線のように事実上別線扱いされていることがあります。また、東海道本線と京浜東北線のように完全に別線扱いとなっている場合もあります。この東海道本線に「快速」は存在しますが、追い抜きはしない単なる「間引き列車」となっています。常磐線の場合はさらに複雑で、交直流車を使う列車の種別は「普通」なのですが取手までは事実上快速となり、上野〜取手間には「緩行線」という形で直流車の「各駅停車」が走っています。ただし地方線区に行くとJR西日本でも東日本でもほとんどの「快速」は単なる「間引き列車」となります。
 以上東西の違いをワタクシなりに解釈してみたのですが、なにぶん室長は関西出身関西在住の身。関東の方には反感を買う部分が多いかもしれません。また、関東の情報についても正確ではない部分があるかもしれません。そういった点があれば室長までメールでご意見を頂きたく存じます。またの機会にこのコラムにてご報告させていただきます。単なる誹謗中傷・嫌がらせ・ウイルスの送信は丁重にお断りいたします。


きはゆに室長