C11 データ

C11の概要
 C10によりタンク機関車の製造が再開されると、その小回りのよさを再認識されるようになり、短区間運転やローカル線の運転に使用することが検討されるようになりました。しかしC10は軸重が重く、線路等級の低い路線で使用することはできなかったため、溶接を多用するなどして軸重を軽くしたC11が登場しました。
 この軽軸重化は成功し、あらゆる路線に使用できるようになりました。これはC10とC11の製造数の差によくあらわれています。また、製造期間も14年にわたったため、幾度か設計変更がされました。特に大きな変更は「戦時型」と呼ばれる247以降のもので、資材と工程の節約、簡略のために角型ドーム、木製デフレクター(除煙板)で登場しました。この「戦時型」車輌も戦後しばらく経ってから他の車輌と同じように改造され、その貧相で情けない姿は他と遜色しない姿へと生まれ変わってゆきました。
 北は北海道、南は九州と各地で活躍することとなったC11ですが、ディーゼル機関車の登場や電化により活躍の場を徐々に狭めいゆきました。それでもこの数の多さと使い勝手のよさから蒸気機関車の末期まで残ることとなりました。
 保存もデンター機関車に比べスペースも少なくてすむため各地で保存され、やはり使いやすいことから動態保存もC11が最も多くされています。かつて映画やドラマで出てくる蒸気機関車は大井川鉄道のC11-227でしたが、現在では仲間も多く、JR北海道で保存されている207は2つ目の北海道仕様となっています。

性能データ
全長
全高
自重
軸配置
12650mm
3900mm
68.1t
1-C-2
使用蒸気圧
出力
最高速度
軸重
14→15kg/cu
610馬力
85km/h
12.4t
シリンダ径
動輪径
製造期間
軸距離
450mm
1520mm
昭和7年〜21年
4100mm